たまいちブートキャンプとは
たまいちブートキャンプは、全く知らないテーマに関して、5~6冊の本を比較しながら読書し、その内容をまとめ、そのテーマに対して玉(たま)村一(いち)郎の見識を発表するための定期講演会です。
これは2009年に私のフォトリーディング講座を受けた方のためのフォローアップ講座としてスタートしました。その後、マインドマップ講座を受けた受講生が合流し、さらにフューチャーマッピング、アクセラメンツ、春夏秋冬理論講座、星活用講座、年間計画講座など、私が開催しているすべての講座の受講生の同窓会になりました。
それぞれの講座のアップデートが中心でしたが、最近はスキルや知識よりも、それを使ってどんな結果を出すか、何のためにそのスキルや知識を使うのか、が問われる時代になってきました。
そこで、リモート開催になった3年ほど前から、大きく方向性を変えました。スキルや知識を学ぶ場ではなく、それを使いこなしたらどんなことができるのか、私みずからが実践し報告する場にしたのです。
たまいちブートキャンプのテーマ
AI、戦争、ビジネスなど、現代はすごいスピードで世の中が変化しています。スキルや知識の賞味期限は短くなり、わずか1年で使えなくなるものもあります。独学しようにも、勉強し終わった頃にはもう古い情報になっていることもしばしば。
知識のギャップは支配する者と支配される者とを分けます。投資でも、健康食品でも、知らない者は知る者にコントロールされます。正しいことを知っているかどうかの問題ではなく、自分が意見を持たないことに関しては、他者に依存し、支配されてしまうのです。
自分が専門でなく、関心がないものであっても、自分なりの見識を持つ。見識とは現時点の自分の答えであり、その答えによって自分はこの行動を取るという宣言のことです。その答えは一時的で、間違っていても構いません。自分の行動を他者に支配されないことが大切なのです。
だからこそ、あえて自分が苦手なものを探します。現時点で知識もなく、スキルも、経験もない。そんな物事に対して、臆することなく自分の見識を持とうというのが、たまいちブートキャンプのテーマです。
2025年3月のテーマ
なぜ、いま読解力なのでしょうか。
フォトリーディングは素晴らしいツールです。必要な情報や知識、スキルを短時間で手に入れることができる。いわゆる“タイパ”(タイムパフォーマンス)を意識した読書法として、多くの人にとって魅力的でしょう。
しかし、現代はVUCAの時代。いま重要だと思って手に入れた知識も、すぐに時代遅れになる可能性があります。必要な情報が変わるたびにゼロから学び直すのは、結果的に大きな手間と労力を浪費しかねません。
このような不確実性の高い世界で本当に必要なのは、短期的な最適解だけではありません。創造性や対応力、変革力といった「状況が変化しても汎用的に発揮できる能力」を身につけることが、これからの人材に求められるのです。そこに欠かせないのが“読解力”です。
AIが文章を生成してくれる今の時代、コンテンツを「作る」だけなら、機械に任せることも可能でしょう。ですが、そのコンテンツが社会に与える影響や、読んだ人の受け止め方、あるいは裏に潜む問題点を想定し、責任をもって活用していくためには、人間の読解力が欠かせません。
自動運転が事故を起こした時、「車のせい」にするだけでは済まず、最終的には運転者の判断が問われるのと同じです。AIに丸投げして、「AIのせい」にしてしまうような世界になれば、人間の存在意義すら揺らいでしまいます。
知識を手に入れるだけでなく、何がどのように繋がり、どんな結果を導くのかを深く考え、想像し、判断する力――それこそが読解力であり、これからの変化の激しい時代にこそ求められるスキルだと考えます。
2025年3月のたまいちブートキャンプで取り上げるのは「いま必要な読解力とは何か」というテーマ。「速く読むこと」のメリットを活かしながら、「深く読むこと」の本質を改めて考える。そして、AIが持たない“人間らしい想像力”と“社会への責任感”を、読解力を通じて高めていく。これこそが、これからの時代に私たちが取り組むべき学びだと信じています。
今回の講演では、以下の書籍を主要な題材としながら、シントピックリーディングを通じて比較読書を行い、私自身の見識を皆さんに共有していきたいと考えています。
- 『頭のよさは国語力で決まる』 (齋藤 孝 著)
国語力とは、単なる作文や読解問題だけを指すものではない。語彙力や表現力など、コミュニケーション全般の要となる力である。 - 『プロパガンダの見抜き方』 (烏賀陽 弘道 著)
あふれる情報に潜む意図的な誘導を見抜くため、プロパガンダの歴史や事例を丁寧に分析。SNS時代こそ、情報を鵜呑みにしない批判的視点が必須だと説いている。 - 『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』 (西林 克彦 著)
「わかったつもり」という錯覚こそが学びを阻害する。表層的な理解から抜け出し、文脈を深く読み解くことで真の理解に到達できると強調している。 - 『レトリックと詭弁 禁断の議論術講座』 (香西 秀信 著)
言葉や論理の巧妙な操作を見破れなければ、議論は一方的にねじ曲げられる。詭弁を看破し、正当な議論へ導くための具体的な手法を提示している。 - 『シン読解力: 学力と人生を決めるもうひとつの読み方』 (新井 紀子 著)
AI時代にこそ、表面的な読解を超えた思考力が求められる。根源的な意味を捉える“シン読解力”が、学力と人生を大きく変える鍵になると断言している。
皆さんと講座でお会いするのを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
たまいちブートキャンプ2025年3月号
主な内容
- 気になるトピックで見識を創るチャレンジ
(今回のテーマ)いま必要な読解力とは? - 玉村一郎の講座、最新情報
- 最近見た映画の「感動採点」
日時 2025年3月9日(日)12時~15時(zoom)
※当日参加できなくても、申し込んだ方は後日録画にて視聴できます。
参加費 無料
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